百名山

九重山(久住山)

九重山(久住山)1787m

ショートプロフィール
 阿蘇くじゅう国立公園の北部に連なる九重連山には、1,700m以上の山が10座あり、「九州の屋根」と呼ばれるエリアである。百名山の選者・深田久弥氏は、『殊に久住高原は私を驚かせた。こんなにノビノビと屈託なげに拡がった一枚の大きな原を私はほかに知らない・・・明るく、やわらかく、そして豊かに拡がっていた。』と絶賛している。周囲一帯に広がる草原の他、5月末~6月上旬ミヤマキシマ時期の平治岳と大船山、紅葉時期の三俣山の小鍋、大船山お池周辺、黒岳の天狗岩、厳冬期の天狗ヶ城のお池の氷結風景等々、魅力あふれるポイント多き山域である。九州で唯一の食事と温泉付きの山小屋、法華院山荘がある。

阿蘇山

阿蘇(杵島岳 1326m & 烏帽子岳 1337m)


 ショートプロフィール 
 深田久弥(日本百名山より)抜粋

 阿蘇の熔岩の拡がりは、鹿児島県を除く九州六県に及ぶと言われる。分離していた大昔の九州を新しい陸地に形成したのは、阿蘇の爆発の結果だという。そういう夢のような話はともかく、現在私たちの眼に裾野と映じる部分だけでも、その広大さは富士裾野も遠く及ばない。もし阿蘇山の範囲にこの拡がりも含めるとしたら、それこそ日本一の大きな山になるが、普通、阿蘇山と呼ぶ時には、カルデラの中の火丘群が指され、根子岳(1,433m)、高岳(1,592m)、中岳(1,506m)、杵島岳(1,321m)、烏帽子岳(1,337m)の五岳である。 

 阿蘇中岳火口は、現在、噴火警戒レベル2(一次規制中:火口周辺の概ね1km範囲内の立入規制中)である。高岳は、何とか登山可能であるが、風向きにより中岳のガスが流れてくる事も考えられる為、現在ガイド案内を中断し、杵島岳と烏帽子岳のコースを案内中である。

 

祖母山

祖母山1756m

ショートプロフィール
 
 祖母山は、太古より火山活動にて形成された為、巨大な花崗岩が随所に見られる。深く刻まれた渓谷、中高山部では断崖が多い。よって、山深く奥に分け入れば、渓谷美および濃密な自然林と醍醐味満載の岩峰含む健脚コースが待っている。九州中部、大分、宮崎、熊本の3県に跨り、その山容は、三角の頂を高々を空に突き立て聳えている。
 深田久弥は神原より登山し、尾平鉱山へ下山している。祖母山を品格の山と表現し、『日本百名山』の一座に加えた。以下、久弥の祖母評の一部を抜粋する。

『九重山の最高点に立った時、南のかた遥に、雲海の上に一連なりの山が見えた。その右端の、緩い稜線を左右に引いた品のいい金字塔が祖母山、左端の、やゃ傾き加減の突兀とした峰が傾山、と教えられて、かねてから名前だけは知っていた山に初対面の感動が、私のうちに湧いた。・・・・・帰途は尾平へ下った。その途中から見た祖母東面の眺めはすばらしかった。圏谷状の谷は岸壁で囲まれ、鬱蒼たる原始林がその下を埋め尽し、簇立(そうりつ)する岩峰と黒々した森林の配合は全く天の工(たくみ)であった』


霧島山(韓国岳)

霧島連山/韓国岳1700m /高千穂峰1574m

ショートプロフィール 
 鹿児島・宮崎両県にまたがるえびの高原一帯を総称し、霧島と呼称されている。昭和9年、雲仙、瀬戸内海と共に日本で初めて国立公園に指定されたエリアである。霧島は天孫降臨(てんそんこうりん)の舞台として、古代史に登場する歴史あるところで、高千穂峰の山頂には天逆鉾(あまのさかほこ)が突き立てられているなど、周辺には多くの史跡や言い伝えが残っている。霧島連山はその山肌を7色に変化させると言われ、「韓国岳」「高千穂峰」に代表される20数座の火山群と、標高日本一の山頂火口湖「大浪池」を筆頭とする6つの山頂火口湖を擁している。この地の風景は、古代神話と遭遇したかのようで、幻想的な神秘さを感じさせる。春はミヤマキリシマのピンク色、夏は新緑の緑色、秋は紅葉の赤黄色、冬は霧氷の白色と、四季折々に楽しめる。火山のほとんどは現在休止中ですが、新燃岳、硫黄岳が活動を続けており、一部登山道は、入山規制を継続中である。かつて、韓国岳から新燃岳へ往く縦走路にて遠望した「高千穂峰」の風景は、古代神話を絵に描いた如く(本当にニニギノミコトがこの山道を辿ってこの地に降り立った事を彷彿させるが如き風景)素晴らしかった。また新燃火口湖のコバルトブルー色は、いまでも私の脳裏に焼き付いている。現在は新燃岳の平成噴火で、景色が一変してしまいご案内できないことが真に残念である。 

 

開聞岳

開聞岳 924m

ショートプロフィール 
  開聞岳は薩摩半島の南端に位置し基底直径約4.5㎞,標高924mの成層火山である。深田久弥は、「高さこそ劣れ、ユニークな点では、この山のようなものは他にないだろう。これほど完璧な円錐形もなければ、全身を海中に乗りだした、これほど卓抜な構造もあるまい。名山としてあげるのに私は躊躇しない」と評して、「日本百名山」の中に加えている。その見事な円錐形の美しい姿は「薩摩富士」と称され南薩のシンボルとなっている。錦江湾の入口、海門にあることから、いつしか「かいもんだけ」と呼ばれるようになった。 
 約四千年前から噴火を繰り返し、最後の噴火が1615年、現在は休止中であるが、活火山に属する。低部はコニーデ型、火口跡(通称「仙人堂」)から上部はトロイデ型の二重火山。山麓から眺めると途中でわずかにくびれ、後世に形成されたことが分かる。中腹までは火山礫、上部は堅固な安山岩からなっており、頂上には噴火口はなく、浅い窪地が見られる。 
 海に面した西側は荒波に洗われ、断崖絶壁。陸側の裾野は長く、春は菜の花が咲き乱れ、秋はハゼが見事に紅葉する。霧島錦江湾国立公園特別保護地区に指定されている。